2019年 師走
私にとってどんな歳だったのか。
一番やり切ったなあ、と思ったのはインプラントを203本埋入をおこないました。
(もっとすごい先生はたくさんおられますが・・・)
どれだけのインプラントを行ったかというのはサビリティーノートといって、一本一本のインプラントのロット番号を記したステッカーを張り付ける管理帳があるので、一目瞭然なのです。
これまでの私のインプラントの本数を累計1265本になりました。
そんなことを言うと、「インプラントは数ではない、質で勝負!」という歯科医の先生から叱られそうです。
私はインプラント治療は経験も大事だと思います。
どんなに勉強して頭が切れる歯科医師でも手が動かなかったら、全然ダメです。
数は質に絶対に比例します。
ここ数年間、とてもインプラント治療を希望する人が増えてきたので、一人ひとりにあった治療方法や埋入ポジションにこだわってきました。
なぜ、このように症例数が伸びてきたのかということを自分なりに分析しました。
インプラントは骨に入れたら良いというものではなく、骨とインプラントが完全に結合する時間を短くすることや、術後に腫れや痛みを出さないことに注力したからではないかと思われます。
また、静脈内鎮静法を担当する歯科麻酔医の先生と術者である私との連携が年々うまくなっていき、最近ではほとんどの患者さんが完全に「寝ている」という感覚の中で手術が可能になったことなどがあります。
治療期間もちょっと前までは抜歯即時埋入インプラントで6~7か月かかったのに、ISQという測定器を導入し、埋入手術においてスキルアップしたことで、症例によっては、手術したその日に仮の歯が入るというところまで来ています。
早くて術後6週間で印象とって、抜歯即時埋入から最終補綴(フェイナル)まで2か月半でおわっちゃうことも多くありました。
こんな話をすると、また、同業の歯科医師からは「そんなことはない、骨とインプラントがくっつくまで最低3か月はかかる!だから、どんなに早く終わっても4か月だ!」とお叱りを受けることも考えておかないといけません。
一言いうなら、「世界は進んでいる」のです。
もう、抜歯即時インプラント埋入は当たり前、そして一次手術同時に即時プロビジョナル(仮歯)ということが十分可能になってきているのです。
それもスクリューでプロビジョナルをフィクスチャーに固定するのです。
プロビジョナルはいつつくるのか?って・・・・術中です。
嘘だろ? いいえ、本当です。
今はそれも可能になりました。
来年5月31日、即時荷重研究会というインプラントのスタディグループがあってそこで私は発表します。
いまから、とても、ビビッていますが、ワクワクしています。
また、来年は、インプラント治療においてもやりたいことがたくさんあって、一つずつそれを楽しんでやっていきたいと考えています。
2020年もどうぞよろしくお願いいたします。
12月30日 書斎から
文責 鶴田博文