朝ごはんを食べてから、フェリーターミナルへ。フェリーは7時45発。
(朝食もおいしかったですよ~ちなみにこのホテルは、新しくて、生簀もありの、露天風呂ありの、とても居心地のいいホテルでした。フロントの人の対応もとてもよかったです)
GWまっただ中だけど、長浜港からは、車もやや少なく、人も少ない状態でしたが、上甑島の里港からたくさんの人が乗船し、船内はたちまちにぎやかになりました。
(満船というのでしょうか?)
串木野港にフェリーが到着し、それから、長い道のりを走り、諫早の自宅まで帰り着きました。
ここで、今回の旅のことについて・・・・
なぜ、私が旅の目的地を甑島にしたのかというと、それは家族の思い出が詰まっていたからなのです。
私の父親は市役所の職員、母親は高校の教師をしていました。
いつも二人とも忙しくて、家族で旅行などほとんど行ったことがありませんでした。
小学校6年生の夏休み。
それも最後のほう。
私の同級生のT君が、一緒に海水浴に行こうよと誘ってくれました。
T君は諫早水泳教室で一緒でした。
彼の家族と、私の家族と、水泳教室の仲間とその父兄が数人。
それぞれの車に乗って飯盛町牧島に行きました。
そこには一隻の白いクルーザーが停まっていました。
そのクルーザーにはT君のお母さんの名前が船体に書いてありました。
そのクルーザーの中にはベッドがいくつかありました。
キッチンもトイレも冷蔵庫もありました。
T君のお父さんがエンジンをかけ、舵を握って海原にでました。
ものすごいスピードでその白いクルーザーは海の上を進んできました。
数時間、走ったところで、エンジンの回転数が下がりました。
気が付いたら、遠くにとても美しい島が見えました。
海の色も全く違う色で、この辺りの海水浴場の砂とは違うきれいな色の砂浜が近づいてきました。
クルーザーのエンジンが切られ、碇が落とされました。
みんな水泳教室の子供ばかりなので、水泳パンツに着替えたら次々と海に飛び込みました。
海の中はとてもきれいでした。
感動するくらいキレイな光景でした。
魚がたくさん見えます。
遠くまで透明な海が続いていて、海の中なのに、まるで空を飛んでいるようでした。
その日の夜は、その海水浴場の近くの民宿にみんなで泊まりました。
とても楽しい夜でした。
でも、昼間にあれだけはしゃいだので、すぐに眠ってしまいました。
翌朝は釣りに行きました。
面白いほど魚が釣れました。
そして、日が傾いてきたので、帰ることになりました。
楽しい時間もアッと言う間です。
とてもさみしい気持ちになりました。
ここにずっといたい、そう思いました。
クルーザーのエンジンがかかり、飯盛の牧島の港目指して海の上を走っていきました。
私は、名残惜しくて、その島が見えなくなるまで、ずっと見ていました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
家族みんなで、大好きな水泳教室の仲間と一緒に行ったこの楽しかった海水浴を私はわすれていませんでした。
それが「甑島」だったのです。
母親が他界して、8年が経ち、墓参りをしたときに、ふと思い出しました。
「よし、行ってみよう。」
そう思い立ちました。
いくなら、GWがベストだと思いました。
私の住む諫早市から、甑島へ出るフェリーの船着き場のある串木野市までは遠いのはわかっていました。
GWはどこも渋滞する、だから、あえてオートバイを選びました。
頑張っていきました。
そして、約38年ぶりにその海水浴場にたどり着きました。
私の記憶とまったく同じ風景をネットで探したのが、手打ち海岸。
行ってみて、間違いありませんでした。
小学校6年生のあのころにとても楽しい思い出を作ってくれた、両親とT君。そしてT君のご両親様には今も感謝しています。
往復、717キロを単気筒、225cc、タンクは7リッターしか入らない小さなオートバイで走りきることができました。
今朝、そのオートバイに乗って近所のコンビニに行きました。
旅から帰ってきてはじめてオートバイに乗ったのです。
買い物して帰るとき、ギアが全然入りません。
突然です。
旅の道中、こんなことは一度もありませんでした。
クラッチワイヤーが伸びたのかなあ、と思って調整しても入りません。
2速に固定されたままです。
仕方がないので、2速のまま、スタートし、そのまま、自宅までそろそろと帰ってきました。
かかりつけのバイク屋さんに電話してもGWなのでお休み。
車庫の中でクラッチを自分で修理しようとしたのですが、さっぱり原因がわからず。
旅が終わってからのギアトラブル・・・・
これは偶然なのか、それとも、誰かが守っていてくれたのか・・・・
不思議です。
もし、旅の途中でメカトラブルになっていたとしたら、きっとそこで旅は終わっていたでしょう。
ただ、ただ、無事で帰ってくることができたことには、感謝しています。
GWが終わったら、バイク屋さんにギアを直してもらいますが、今回の一人旅ではいろいろなことを頭の中で考えました。
こうして一人で旅ができるということはありがたいこと。
家族の理解、そして、怪我もなく無事に帰ることができたこと。
機会があれば、また、下甑島へ行きたいと思います。